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June 04, 2012

旧大倉発電所跡探訪記:02

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 導水路や水槽付近をとりあえず探索し終え、いよいよ発電所建屋が存在した方向へ向けて階段を下り始めた。

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 警報機の建っている構造物の裏側からは水圧鉄管が延びていた形跡があるが、下草や竹が生い茂る薮と化し、枯葉に埋もれかけている。

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 水圧管路にはコンクリート製の鉄管用基礎が幾つも残っていた。上画像のように原形を留めているものもあれば、崩れてバラバラになったものもあった。

 随分と竹などが倒れて荒れた感じなのだが、この日ここではサルたちが遊んでいた。撮る暇を与えてくれず逃げてしまったが、彼らが竹に登ったりぶら下がったりしてへし折っているのかもしれない。

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 水圧管路と階段の位置関係は上画像のような感じで並走、上画像は水槽方向を見上げるように撮影している。lot49snd氏が地形図内で見つけた階段とはこの階段のことのはずだが、地形図では明瞭でも、実際には枯葉などに埋もれて段が不明確な範囲もあり、下りるには足元に注意を払う必要があった。

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 長い期間放置されていることが窺える階段。これでも比較的マシな部分を撮影している。

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 鉄管用基礎にはボルトや金具が残っていた。

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 延々と階段を下りて行くと小さな鉄塔が建つ場所に行き当たる。そこから先に広めの空間が存在している。いよいよ発電所建屋などがあったメインの敷地へと到達だ。

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 ややS字状に曲がりながら階段は敷地へと降りる。その先の地面には怪しく暗い「四角い穴」が覗いている。

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 到着…。これまで導水路や水槽、水圧管路などを見ながらここへ到達したが、それらの遺構からも想像できる、かなりしっかりとした水路式水力発電所が存在したことを一目で物語ってくれる光景がそこに広がっていた。しばし茫然とした気持ちで周囲を眺める。

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 階段を下りてきて左側、送水経路で言う左岸側の様子。斜面に玉石で二段に擁壁を築き敷地の境界としている。途中で少し角度を変えて一段となり、奥の方まで続いている。擁壁は細かい部分では傷んではいるが、全体的に見れば往時の姿をそのまま残しているようだ。

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 左前方の様子。コンクリート基礎のようなもの、縦長に建つ構造物が見える。何か建物があったことを想像するに容易い光景だ。

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 正面の様子。水路の進行方向真正面、敷地に怪しげな「四角い穴」が開いている。これが水車タービンを回し発電していた建屋の跡ということになろうか。それにしても無防備に穴が開いている。下草が濃くなってきたら見え難くなって、穴の存在を知らない人がたまたま通りかかったら危ないかも…。

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 右側、送水経路で言う右岸側の様子。逆側と同様の玉石の擁壁。奥には沢が流れており、水の音が周囲に響いていた。敷地内の探索における地点表記は今後、特記が無ければ発電所跡の送水経路を基準に右岸や左岸、上流や下流といった表現することとする。

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 階段から見て右斜め後方の様子。掘り下げられた水圧管路と下りてきた階段。

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 さて、新発電所に役割を譲って退役後半世紀余りを迎えた旧大倉発電所跡を探索だ。まずは大まかな探索順路を検討する。

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 この遺構の顔とも言うべき放流口付近は最初のうちに拝んでおきたい。それを考えると敷地の周辺探索も兼ねて放流口に向かった方が良さそうか…。

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 最後に「四角い穴」を上から見下ろしてよく観察しようかな。

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 一服しながらそんなことを考えつつ、四角い穴の縁付近を眺める。隙間無く積まれていたはずのレンガの壁に杉の幼木が根を張りつつあった。根が育てば、いずれ壁は崩壊を始める…。

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 自然に呑み込まれようとしていると言うべきか、自然に還ろうとしていると言うべきか…。

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 四角い穴の下を気にしつつ、それは最後に拝むとして、いざこの発電所跡の顔とも言うべき放流口付近を目指す。敷地を反時計回りに右岸側に進み、敷地内水路と並行して流れる沢のほうへと向かった。

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 下りてきた階段の袂から少し離れたところで、振り返って階段付近を撮影してみる。林の中、広い空間の中ほどまで突き出て延び降りてきている階段の存在感が、なんだか気持ち良く思える。

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 右岸側の沢の対岸にも何やらコンクリートの土台のようなものが見える。沢は斜面の上、導水路が存在した付近から農業用水が流れ落ちてきているものであるが、水槽からオーバーフローした水が流れる余水路と合流して流れ落ちてきている沢でもある。逆側の敷地中心方向を見ると…。

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 四角い穴の下流側、放流口上部の構造物が草葉に邪魔されつつも見えるようになってくる。おおぉ、素晴らしい存在感だ…。ここから下流側は放流水路ということになる。

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 もう少し下流側へ移動して放流口付近を覗き見る。草葉が随分と邪魔をして見え難いこと、見え難いこと…。

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 更に下流方向に進み、沢に架かる橋の袂へ辿り着いた。この橋には獣道のような歩いた形跡が残されているため、今も「道」としての機能は失っていないようである。旧発電所が運用されていた頃は大倉川の岸辺に沿うように道が存在していた(仙台市水道局の鳥瞰図にも描かれていた)が、その名残の橋でもあろう。なお、この橋の先には一面に広がる藪と、沢の対岸に見えたコンクリートの土台があり、この土台を軽く見に行ったが特筆すべき点は見受けられないコンクリートの四角い塊だった。

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 旧発電所の放流水路上にも橋がかかっているのだが、撮っても何だか分からない感じに…。

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 その橋の袂から放流水路と大倉川の合流点を見下ろしてみる。あそこに降り立ちたい…。ということで右岸側の林の中を、ガサゴソ…。

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 そして放流水路と大倉川との合流点に降り立った。放流水路は大倉川と垂直にではなく、若干大倉川下流方向を向いて合流しているようだ。川の流れを考えれば当然と言えばそうなのだが一応説明。この合流点付近は砂や土が堆積しているのだが、目新しい獣の足跡が残っていた。熊ではなくカモシカのもののようだった。

 さて、いざ放流口へ向けた最終アプローチ、放流水路を遡って放流口前に向かおうと歩みを進める。

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 放流水路上に架かる橋の下を通過するとき、その裏面の劣化に目が向いた。

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 複数の鉄筋が露出し始め、錆び付いている。一部の鉄筋は剥がれ落ちそうなほど。

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 橋の下を抜け、放流口に向かう。放流水路内も木が生え始めているが、そのうち人も歩けないくらいに埋もれてしまうのだろうか…。

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 足元を見ると新旧いろいろなものが転がっているのだが、その中でも異彩を放つ存在があった。

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 30㎝くらいの消火器のようである。ステンレス製でほとんど錆び付いていない。拾い上げて見てみると…。

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 1958年製。昭和33年か…。旧発電所としては晩期のものということになるだろう。きっとこれよりも新しい物には更新されずに旧発電所は幕を下ろしたんだろうな…。

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 先端のメーター?部分の裏側には、同年4月製造である打刻もあった。消火器は元の場所に転がしておいた。

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 更に埋もれるもの多数。この円盤状の物体は何だか分からない。

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 これは…何かの機器か?転がして向きを変えてみる。

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 制限開閉器…とある。水門用?昭和35年11月製作の打刻プレートが付いているが…。大倉ダム完成の直前のもの、言い換えれば旧大倉発電所が退役する直前のもの。新しく機器更新されてすぐに退役、という状況だったのだろうか。まあ、退役直前でも機器が壊れれば新しくしなければならない状況も考えられなくもないけど。

 いや、でも、完成直前の大倉ダムということを考えると、既に旧発電所が取水できないくらいにダムが出来上がりつつあったのではなかろうか。

 …。あ、もしかすると…。

 という勝手な妄想?は、とりあえずここではさて置き。

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 こちらは回路かスイッチが入っているような箱のようだ。開閉するためのノブが付いている。

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 茶筒…っぽさ満点の缶。蓋には取っ手が付いている。開けて中身を確認しようとはしなかった。

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 そんなこんなで放流水路内の埋もれるものを見ているうちに放流口前に辿り着こうとしていた。

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