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May 26, 2012

旧大倉発電所跡探訪記:序

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 いろんな所に、昔のいろんな遺構は残っている。日常生活の中で目も向けられなくなった捨てられた存在でも、その歴史を紐解けば今現在の日常生活を支える礎となった存在だったりもする。

 上画像の記事は5/24の地元紙に掲載された仙台市泉区の水力発電所跡地のもの。少し前にこのブログでも探訪記事にした仙台愛宕下水力発電所と同様、河川の自然の高低差と蛇行地形などを勘案して隧道を設け、その中に導水して吐水口付近の僅かな落差で水力発電をしていた施設の名残りである。この水力発電施設の跡については地元住民団体などにより保存整備が進められている。地域の文化遺産を後世に伝えていくという趣旨である。

 この記事が紙面を飾る僅か2日前、俄かには信じ難い一報を頂戴することとなった。「旧大倉発電所跡にたどりつきました。」…旧大倉発電所。私はてっきり現大倉発電所に取り込まれ潰されたかのような印象を抱いていたので驚いた。そしてこの旧大倉発電所跡、ネット検索をかけても御一報を頂いた方の記事以外には近況が見えてこない存在なのである。

 忘れ去られようとしていた存在。

 現代の情報ネットワークを以てしても、日夜幾多の廃墟マニアや産業遺構ファンが東奔西走していても、世にフィーチャーされることの無かった物件が竣工後100年という節目の年に見出された。

 この素晴らしい快挙を成し遂げたのは、単身赴任で宮城県外在住ではあるが仙台が地元であるlot49snd氏。仙台市水道創生期の施設について記事を取り上げられており、この関係もあって当方ブログに御一報であるコメントを頂戴するに至った。今後当ブログで旧大倉発電所跡のことを記事にしていくが、その前に是非lot49snd氏のブログ記事をご覧いただきたい。発電所以外の記事も含め様々な資料などを元に詳細かつ丁寧に紹介されており、旧大倉発電所の経緯についても大変よく分かる構成となっている。(私はそこまで詳しく紹介できないので、予め予備知識をlot49snd氏のブログ記事で得ていてもらいたい…ι)

 lot49snd氏の情報提供に感謝しつつ、先週までは思っても見なかった“緊急追跡踏査”を本日敢行。

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 新緑に覆われた薄暗い林の中に、それは確かに存在した。

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 ひっそりと朽ちていくものがあった。

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 自然に取り込まれようとするものがあった。

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 構造物を取り込もうとする自然があった。

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 往時の世界が露天に曝されていた。

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 今もなお威厳を保つ部分も残っていた。

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 私なりの「旧大倉発電所跡探訪記」、少し他の記事ネタが控えている中ではあるが優先的にUPしていきたい。

[lot49snd氏の関連ブログ記事]
仙台市水道記念館
旧大倉発電所跡1
旧大倉発電所跡2
旧大倉発電所跡3

~余談~

 lot49snd氏からの御一報を頂いてlot49snd氏のブログ記事を拝見していたところ、仙台市水道創生期の施設の記事が充実しており(その関わりもあって御一報頂いたことは記述したけれども)、私が以前当ブログで触れたこともある送水用隧道にも関わる「送水路」の地図が掲載されていた。私が好んで散策していたのは第四号隧道の出口付近や、同じく第四号隧道の入口と第三号隧道の出口付近で、近くには氷室跡や氷池跡もあるという場所だった(当該記事は→こちら)。この第三号隧道の入口ってのがドコなのか昔から気になってはいたものの、いつか調べようと思ったまま月日は流れ今に至り、lot49snd氏の掲載した送水路地図でピン!と来た。GoogleMapで調べてみたら、怪しい構造物が山中に見えている…。

 ということで、旧大倉発電所跡を探訪した帰り道に「怪しい構造物」付近を探索してみたのだった。

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 車を路駐して僅か数歩。「この施設は、上水道の重要な施設です。…」キターッ!ここだった。第三号隧道の入口すら確認していないのに確信してしまう私。

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 道はすぐに直線となり、林の中を進む。遠くに白い物が見えるが、何かの設備っぽい。道は途中で沢を渡っている。

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 沢に架かる橋の下には送水管らしき極太管が…。ムフフ♪

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 白い設備は発電設備らしい…って、その後ろ!赤いレンガ!

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 コレ!コレ!

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 第三号隧道入口、発見~♪

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 開口部(扉)の直上に銘板とはカッコイイ!しかもレンガの積み方に意匠が施されている!

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 ここから978.56m、途中で斜め右に折れる箇所を備えながら第三号隧道は延びている。

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 知らなかったなぁ、ここ。伯父の家から歩いて数分なのに(汗)。

 lot49sndさん、本っ当にありがとうございました。

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Comments

ブログをご紹介くださりありがとうございます。旧大倉発電所の遺構の再認識されるきっかけになればうれしいです。
写真は重厚な印象を受けますね。光線の加減や写し方でずいぶん違うものだと思いました。勉強になります。
第三号隧道の入口はすばらしいですね。しっかりとした施工がうかがわれます。是非訪ねてみたいです。その時はご教示よろしくお願いします。

Posted by: lot49snd | May 27, 2012 at 12:15

lot49sndさん
こちらこそ大変ありがとうございました。この遺構、旧大倉発電所の存在が確たるものとして今後取り扱われることを願う気持ちでいっぱいになりました。
私は昼過ぎに現地に着きましたが、陽の当たる角度も違えば木々の葉の量も異なり、lot49sndさんが訪れた時とは雰囲気も随分と違って見えるのではないでしょうか。青葉の中の発電所跡も素敵なものでした。
第三号隧道の入口は、出口側や第四号隧道にはない少し派手な?雰囲気がありました。目地の処理などにも隧道各所で異なる部分が見受けられるので、施工時にどんな背景があったのか思いを馳せてしまいました。lot49sndさんのように詳しくご紹介される記事を作られる御方には是非訪れていただきたい所です。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

Posted by: Sakazuki | May 28, 2012 at 21:15

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