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February 10, 2012

仙臺伝統裸参り保存会撮影記2012②

 前の記事からの続き。

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 物的な準備や予行演習が終わると、関係者が一堂に集められ本日の重要ポジションが発表された。裸参りの隊列構成を前方から説明すると、「先導」、「高張提灯」、「一番鉦」、「役職(主人・杜氏頭)」、「二番鉦」、「梵天」、「幣束」、「祈願板」、「奉献酒」、「供物(餅)」、「供物(魚)」、「供物(野菜)」、「三番鉦」、「裸参り本体」、「高張提灯」という順となり、これに適宜周囲を付き人が囲むように配される。(上画像は左が梵天、右が祈願板。)

 この日の要職が発表されたことで、いよいよ出陣に向けた動きが一気に加速し始める。一連の神事が始まるのである。

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 水垢離。館の脇に仮設された禊場で氷の浮かぶ冷水を全身にかける。

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 身体を洗い清める意味もあるが、その後の体感的な寒さを緩和する作用もあるという。

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 しかしながら周囲の気温は氷点下。瞬く間に寒冷蕁麻疹が全身を包む。それでも水垢離を行う男たちの表情は粛々としていたり、清清しささえ漂ったり。

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 水垢離を終えると装束に着替える。仙台裸参りの装束は酒蔵で働く杜氏の服装に由来しているという。

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 かなりしっかりと晒が巻かれていく。

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 保存会においてこの晒が緩み落ちたことは無いということだ。

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 鉢巻が巻かれる。

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 鉢巻の余分は切り落とされる。余分が大きいとリボンのようになって見えたり、締りの無い感じに見えてしまう。

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 髪まで切りそうになり、おっとっと。

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 腰には注連縄。

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 神事という意味が視覚的にも出てくると同時に…。

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 気合が入ってくる。

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 気持ちも引き締まってくる。

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 役職(主人・杜氏頭)の服装のみ羽織袴姿で脇差等の携行が許される(もちろん現代は模造刀)。今回の主人役はピンチヒッターの方で、地元商店街の大御所。私の親父も商売柄お世話になっていたお得意様のご主人で、出発前にご挨拶させていただいた。「ああ、S君の(息子)?」と、昔と変わらず朗らかな方。

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 さて。

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 出発直前の館には男たちの熱気が。

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 いざ、震災復興の祈願を果たすべく。

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 隊列を編成する前に館脇の公園(中島丁公園)で集合写真撮影。

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 そして出陣へ。

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 提灯に火が灯される。

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 午後6時過ぎ、館の前に隊列が組まれる。地域の人々が見送りに集まる。見送ることは参拝するに等しくなり、見送られた裸参りの一行が代拝する形となる。

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 出発。震災復興への祈り、地元宮城の被災酒蔵の想い、地域住民の気持ち、そして各々の心中に去来する願いなどを運ぶ歩み。

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 八幡の大通りに出る。

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 仙臺伝統裸参り保存会の一行は一度立ち止まり、その前身である天賞酒造跡地(現レキシントンプラザ)に残る門構えに一礼する。

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 そして再び大崎八幡宮へ向けて歩み始める。

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 保存会は通りの中央寄りを歩む。地元八幡の伝統を継承する団体であるからこそ、昔ながらに中央を歩むことを許される。

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 付き人は含み紙の状態を気遣い、交換する。また、隊列内を横切ろうとする一般参拝客などを制止する役目も担う。裸参りの隊列内を横切ることは「願いを断ち切る」行為とみなされ無礼にあたる。無礼というだけではなくて神事の邪魔をしているということにもなるので、一年のご利益を考えると厳に慎みたい行為だ。横切れるポイントは隊列の先頭と殿に高張提灯が掲げられているので、その外側ということになる。

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 ゆっくりと堅実な足取り。そして高らかに揃って鳴らされる鉦。今年の祈り願うことはあまりにも大きい出来事であった震災からの復興。他団体とは一線を画する伝統的な裸参りは軽々しくなく厳か。保存会の皆様が今回背に乗せた数々の思いの丈と、保存会という誇り高き団体が我が地元に存在するということを思うと、その本質を貫く厳かな足取りと鉦の音に涙も滲む感慨を得た。

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 一行が現れると、周辺を行き来する参拝客らも保存会の凛とした空気に呑まれ、立ち止まって見入る。明らかにゆっくりとした足取り。明らかに揃っている鉦の音。保存会という名前もあるが、多くの人々から「本物だ!」「素晴らしい!」「凄い!」といった賞賛の声が口をついて出る。

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 歩道側を軽やかに追い抜いていく他団体たち。他団体の人でも思わず脇見をしてしまうほどのオーラが保存会にはある。地元住民はもちろん、古来本質的な裸参りを見てみたいという人に保存会の歩みは「必見」と言えよう。

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 一挙一動が揃った歩み。頭上まで振り上げられて鳴らされる鉦、顔の真横に掲げられる提灯、その姿勢は他団体ではなかなか見られない凛としたもの。

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 一行は大崎八幡宮の境内へと入って行く。人混みが一層激しくなる中で、保存会に向けられる参拝客の瞠目と感嘆の声。さながら裸参りの本陣が入ってきたかのような雰囲気に変わる。

(つづく)

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