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February 27, 2012

仙臺伝統裸参り保存会撮影記2012③

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 前回からの続き。(更新が間延びしてスミマセン…)

 八幡杜の館を出発した仙臺伝統裸参り保存会の一行は、八幡大通りを経て大崎八幡宮の境内へと入り、参道の階段を上り始めた。黙々と歩む一行の姿には「厳か」という言葉が相応しく感じる。

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 階段を上り切った後、混雑を極め賑やかな石畳の道も保存会の一行が通りすがると空気が一変し、周囲の人々は他団体と雰囲気を異にする一行の姿に目が釘付けとなる。

 一体。

 隊列の人数に比例しない鉦の音。それだけバラつきが少なく揃えられた音。

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 被災酒蔵の想いとともに大切に運ばれてきた奉献酒。

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 拝殿が近付き、男たちの気持ちも昂る。

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 歩みを進める男たちと、常に脇を固め随行する付き人たち。間もなく祈願が果たされる。

 そう思ったのも束の間、拝殿を目前にした頃から「裸参り渋滞」が始まる。隊列はなかなか前進できない。数分待たされて、十数歩の前進を繰り返す。そして、裸参りの一行のみが入ることができる参拝順路(本殿裏)へと進んで行く。

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 本殿の裏には目立った照明は存在せず、提灯の明かりだけが僅かに揺らぐ。(保存会所属のカメラマンという立場で付き人の法被を着用し入らせてもらっております。)

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 暗闇の中の提灯行列と、高らかに鳴らし続けられる保存会の鉦。この頃、夜半前に一時的に生じた「急な冷え込み」を気象台では記録していた。

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 震える。震えが止まる。そしてまた震える。

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 本殿の裏を九十九状に三度ほど行き来する。しかし、相当の渋滞で立ち止まる時間がとてつもなく長い。参拝までの道程はもう僅かだというのに時間ばかりが重なっていく。

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 それでも、男たちの気持ちは途切れない。鉦の音も途切れない。

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 ほとんど外灯の光も届かないような暗闇でも、誰に見られるということが無くても、男たちは黙々と鉦を鳴らし、渋滞の列を時々僅かずつながら進んで行く。

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 高張提灯を持つ手にも揺ぎ無く。

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 一歩一歩参拝場所へと辿り着き、いよいよ祈願板を納め、数々の奉献物を供え、祈願をし、お神酒を頂く。

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 付き人の人々も。

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 祈願を終え、向かうは御神火。されど渋滞はまだまだ続く。

 あまりにも待たされ、一行の代表役である地元商店街大御所の方が隊列を離れてしまう。前代未聞の出来事に何が起こったのかと保存会の人々は思ったそうだが、今回のとんでもない渋滞劇に居ても立っても居られず運営側に渋滞解消の注文を付けに行っていたらしい。(地元大御所の方だから成し得ることである…)

 寒い。停滞。停止。あまりの渋滞。長時間裸で屋外に立たされ続ける。とうとう保存会の鉦の音も停止命令。渋滞待ちの他の裸参りの人々からも「さすがの保存会も鉦を止めてしまった…。」と口にしながら渋滞状況に苦悶の表情…。

 その後、大御所の注文が功を奏したのか渋滞が若干解消し前進するペースが少し良くなる。それでも時々は立ち止まり、何十分という時間を掛けて…。

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 御神火に辿り着く。付き人が次々と腰の注連縄を解いて、御神火へと投げ入れられていく。

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 参拝の際に神社より頂いた御札。

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 御神火の近くと言えども外側半身は寒い。寒冷蕁麻疹の嵐だ。

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 それでも男たちは淡々、黙々と御神火の周囲を回る。

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 姿勢は崩れない。多くの団体が御神火に向けて身体を回転させて暖を取るような行為を見せるが、そんなことは保存会に断じて無い。

 さて、2週目…と思ったら1周のみで退却する保存会の隊列。通常正式には御神火の周囲を3周するのだが、この日はとんでもない渋滞だったので後方に配慮して1周のみという英断をしたそうだ。(今年は震災後初めての裸参り、土曜日の裸参りということで参拝者が多いことに加え、正式3周を行う団体が増えたこと、寒かったのでゆっくり暖を取る団体が多かったことなどが渋滞を引き起こしていたようであった。)

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 神社の境内を後にする一行。いつもなら御神火を正式3周する伝統裸参りが後方に配慮しての1周のみ。その配慮に感嘆しつつも残念でならない。

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 竜宝寺参道を降りて八幡大通りへ復帰する一行。

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 帰り道も、帰り切るまでが裸参り。

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 隊列、鉦、足取りは崩れない。

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 地元の人々の分まで祈りと願いを運んだ足並み。

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 いよいよ行程もフィナーレ。

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 最後まで地元の人々に追いかけられ、撮影される保存会。

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 杜の館に帰還。2時間弱の参拝予定が3時間半という道程となった。

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 凍える身体で草履を脱ぐにも一苦労。

 あまりにも長い参拝となった今年は、この三十数年でワースト3に入る参拝だったと振り返る会長さんほか古参の方々。大変お疲れ様でした…。

 それでも、多くの方々が大きな充実感・達成感を得て、清清しく解散。直会(なおらい)参加メンバーに私も加えていただき、そこでもまたいろいろなお話を伺う事が出来、大変貴重な一日を過ごさせていただいた。皆々様、本当にありがとうございました。

 後日、プロカメラマンの御二方と私が撮った画像データを持ち寄って、保存会の会長さんと副会長さんの前での鑑賞会を兼ねた慰労会。そこで飛び出た?お話は…。

 それはまた次回で。

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