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March 21, 2009

埋もれる遺構探訪“リベンジ”

 お彼岸ということもあり、墓参りついでに実家にも立ち寄った。すると親父が見慣れないクルマに乗って戻ってきたところだった。あれれ?ミラはどうしたの?

 「風の強い日に駐車場脇の木が根元から倒れて“ばんがり”っとやられた。」

 屋根とか凹んでサイドミラーももげたらしいが、幸いガラス系まで割れるほどの大ダメージではなかった模様。修理代掛かったんじゃない?と問うと、「タダだぁ」という。どうやら駐車場脇の木というのが市の保存緑地内の木であったため、倒木撤去を相談したらクルマの修理も市が負担してくれるということになったとな。

 で、実家に立ち寄ると親父の幼馴染みの元箪笥屋のオッチャンも遊びに来た。私がカメラを携行しているのを見て、自分のカメラをクルマから持ってきたオッチャン。機種は40D。ちょっと望遠貸してくれと言われて手渡し、私は家の中でくつろぎ、オッチャンは外で撮影しているっぽい。

 ナンダカンダという話の中から、先日釣具屋のオッチャンに偶然会ったとか話をしていたら、あの氷池の話や氷室跡の話になった。そう、あの時は親父のアバウト情報に基づいて探索を行ったが、氷室跡までは見つけられなかったのだ。

 その時の親父情報や探索履歴は下図のとおり。

20090321_01

 話が盛り上がりつつ、親父が「今度ちで行ぐがら~」とは言うものの、親父は来週末に検査入院する予定。本人も覚悟しているようだが、私が思うにもきっと癌だ。検査入院後はきっと本入院の日程が組まれて手術となってしまうだろう。そんな親父に山歩きをさせるのも大変だし、何より体力が回復するまで時間が必要だろう。

 今回、親父との話の中から聞き出した新たなアバウト?情報は、氷室跡は2~3番目の氷池の横くらいだということであった。なに?前回私は1番目の氷池の近くを探索したんだぞ?アナタの書いた地図を覚えて…(汗)。

 確か2~3番目の氷池、私が勝手に“弐の氷池”、“参の氷池”と呼んでいるところの横っていうのは斜面も迫っていて、親父の言う「こんもりと山になっている上に…」なんて地形は無いのだが…。えぇい。

20090321_02 ということで、実家を午後3時半に出て、時間も無いが強行探索へ。今回はクルマで某墓地へ。そこからの徒歩最短ルートを選び、仙山線を横切って進む。

 3時半に実家を出て、3時40分にはクルマを降りた。んで徒歩で10分強かな、“参の氷池”まで。

 前回来たのは冬至の日。今回は春分の日の翌日。日没までには充分な時間はあるが、氷室跡を速やかに発見できねば撮影するには厳しい暗さになってしまうだろう。

 多少足早に山道を歩く。かなり夕日チックになってきた。山の谷間じゃもう暗いかなぁ…。

20090321_03

 “参の氷池”に到着する。そう言えばこの氷池の下流側、一段下がったところに…、

20090321_04

 ちょっとだけ小さな平坦地がある。丸太橋は高架線管理用の道に掛かるもの。しっかりと四角く整地された他の氷池とは形状も規模も違うが、もしかするとここでも氷を作ったのかもしれない。ここをとりあえず“2.5の氷池”と呼ぶことに。

20090321_05

 少し移動して“弐の氷池”が見えるポイントへ。ここらへんの「横」に氷室跡は存在するという親父のアバウト情報。「こんもりと山になっている上に…」なんて言うが、親父が図示したような独立峰は林内に存在しない。

 それならば高いところから見下ろそうと、「横」の斜面を這い上がれ!と意を決してブッシュに飛び込んだら、あらら?あれは…。

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 おぉぅ!?コレダ!氷室跡!!(北西側から撮影)道も無ェとか親父言ってた割に、野道から数歩じゃないか!!(笑)まあキノコ採りの親父は道なんて関係なく歩いてんだろーけど…。しかも「こんもり山」じゃなくって、斜面の下に位置してる。確かに氷池から見ればこんもり状に見えるかもしれないが、図示と違うでぇぇぇぇ…。

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 北東側から。昔はこの竪穴を覆うように上に茅葺き屋根の小屋があったらしい。それらを含めて氷室なんだな。

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 東側より北壁側を見下ろす。西側から降りてくるスロープがある。

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 東側より。西壁は崩落している。

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 底はこんな感じ。埋もれ気味だ。

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 南東の角に立って見下ろす。高さは5~6m。

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 南側より東壁を望む。四方は7~8m程度。

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 南側より北壁を望む。スロープが明瞭に判る。

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 西側より東壁を望む。7~8m四方、深さ5~6mの竪穴が林間にポッカリと口を開けている。さっき斜面を登ろうとブッシュに突入したわけだけど、もうちょっと位置がずれてて、薄暗くなってでもしたら、思いっきり転落する危険だってあったかも…?

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 氷室跡の底へ。スロープではなく西壁崩落部を滑り降りた。正面に東壁。何となく高い位置の石積みは石が小さくなっているのが判る。

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 底から北壁、スロープを撮る。先日の話からも、昭和30年頃までは使われていたらしい。いつ完成したものかは不明だが。

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 左が東壁。右が南壁。南壁はあまり日光が当たらないからか、かなり苔生している。

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 北壁(左)と東壁(右)の境界角。互い違いに石積みが組み入れられ、強度を出しているのが判る。各方向の壁平面は周辺の樹木の根に押されて歪みが生じてきているが、この角はガッチリ今も綺麗な形を残している。

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 底から崩落している西壁側を望む。西壁はスロープ脇の一部を残すのみで、石積みは底へと崩壊、転がっていた。

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 スロープの石積みには、一部に石の崩壊の兆しがあった。このようにひび割れた石が崩れ、後は連鎖的に崩れていくのだろう。綺麗なスロープの姿があと何年保ち続けられるのだろう…。

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 スロープ入口横には、石積みにスリットが見受けられる。

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 底から這い出て、スロープの入口から内部を望む。きっとここが小屋時代の玄関跡なのだろう。

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 そこに存在する石積みのスリット。想像するに、角材をはめ込んで扉の軸支えとしたのではなかろうか。

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 親父のアバウト情報に惑わされたりもしたが、存在自体を教えてくれたのも親父である。ここのすぐ近くの山道を子供の頃は探検と称して何度も歩いていたが、意味も無く斜面側に入り込むことも無かったので見付けられず、知らぬまま三十路を迎えていたよオイラ。郷土の歴史的遺構。アバウト親父よアリガトウ。

 ここまで100カットくらい撮影していてメモリー的には余裕が無くなってきたものの時間的には余裕がある。薄暗くなってきたが最近導入したISレンズのお陰か?撮影失敗カットは1枚程度。まだなんとか撮影可能か…。前回は時間的都合で断念した“参の氷池”よりも上流部へと足を向けた。

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 “参の氷池”の一段上流部には、崩落地盤と平坦地があった。やはりここも氷池なのだろうか?周辺の人工物を探索する。

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 あった。右岸側に石積みだ。

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 同じく右岸側。上は剥き出しの岩盤だが、下は石積みだ。

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 都合“四の氷池”となる場所の最深部には小さな滝があって、終了。滝つぼ?よりも池側には、ちょっとだけ盛り土みたいな人工部分があり、もしかすると波や流れを緩衝させる狙いがあった造りが存在したのかもしれない。

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 滝より下流側、“四の氷池”の全貌。メモリーも残り1桁枚数にて、退却を決める。これより上流部は斜面だから、もう池は無いだろう。

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 さて、このミッション?は今回で完了ということになろう。実は“壱の氷池”の下流側にある普通の池も、“2.5の氷池”同様に、規模や形は異なりながらも「ついでの製氷」に用いていた可能性はある。これは仮定なので“零の氷池”とでもしておこうか。

 他にも変な空地なんかが林内にあるのだが、納屋とかの跡程度のように感じるので、詳しく調べる必要性はあまり感じないかな。

20090321_30 帰り道の仙山線。タイミングよく列車が過ぎ去る。列車の音が聞こえなければ安全に渡れる見通しの悪くない場所だが、少しでも列車の音が聞こえるようなときは近付かないほうが賢明だ。

 このような山道で線路を横切るルートがあったとして、自分の身は大丈夫な場所と思っても、列車が非常ブレーキを掛けるようなことになってはオオゴト。基本的には運転士に視認されないようにやり過そう。

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 草木が茂る前のこの時期に、氷室跡を見付けることができて良かった。

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