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September 15, 2008

空を這いずって…③

※.本文は劇場アニメ“The Sky Crawlers”及び小説“ナ・バ・テア”“ダウン・ツ・ヘヴン”のネタバレに相当する感想文などを含みます。

 「スカイ・クロラ」シリーズの小説“ダウン・ツ・ヘヴン”(Down to Heaven)を読み終えた。読む時間が取れずちょっと日数が掛かってしまった。基本的に1日2時間強の読書時間が2日間もあれば1冊読めるのだが…。

 ともあれ、シリーズ5作品の、ストーリー時系列では2作品目に相当する。この作品も草薙水素を第一人称に据えて展開されている。

 前作(といっても刊行順のことではない)“ナ・バ・テア”は、スイトが現役前線パイロット時代の、ティーチャーとの関わりなどを通じた、云わば“スカイ・クロラ”主要人物相関や世界観の裏打ち的なストーリーの起点にもあたったが、“ダウン・ツ・ヘヴン”はスイトの経歴や人物像を語るエピソード的な要素が多くなり、指揮官となる直前くらいまでの変遷が語られている。これら“ナ・バ・テア”と“ダウン・ツ・ヘヴン”は元々一構成としたものだったがボリュームが出たため二部構成となった、云わば全編を通じて登場するスイト(草薙水素)の核となる物語である。

 で、“ダウン・ツ・ヘヴン”もスイトの心境については様々な描写があり、楽しめることは勿論だが、スイトの置かれている状況、前線パイロット~有望人材~指揮官候補という一連の流れの中に抱く数々の思いが、あるいは現代の仕事人間たちの描写の一つにもつながらないか?という部分もあった。あるいは、子供の世界から所謂大人という世界への移ろいの描写とでも言おうか、そんなのが多かった。

 このような中に表現されている心の描写は、多くの人たちの心の中でも大なり小なり抱き消化し乗り越えてきたり乗り越えられなかったりして、という心情や心境としての経験の一つであろう。実際に私の経験にも通ずるような一部分はあるし、共感できる感情表現もある。物語中では結局、スイトは大人に対する嫌悪や憎悪を露にしているが、自らがそれになりたくない葛藤の中にも、自らが求める唯一のものを失わないための妥協などが描かれ、成長していく姿も描かれている。

 “ダウン・ツ・ヘヴン”で登場したカンナミ。彼はスイトに接近するし、スイトはそれを自然にも拒めない。そしてスイトの夢の中で二度ほど暗示的な登場をする。それ以外に大きな進展の無い二人だが、今後へ続く、“スカイ・クロラ”への伏線になっているのだろう。これが興味深いところであり、今回挙げられる「気になる点」か。

 ティーチャーは既に敵側の人間となっているが、スイトとの関わりは相変わらず。スイトの良きライバルであり、同志であり、盟友であろう。

 前回“ナ・バ・テア”までに挙げた気になる点は、基本的に全てがそのままに終わった。登場人物がスイト、ティーチャー、カンナミ、ササクラくらいなのである。ミズキやフーコ、クリタなどは登場しない。“ダウン・ツ・ヘヴン”は、“ナ・バ・テア”ではまとめ切れなかったボリュームの部分、元々1本だったものが二部構成になった後編というようなことは前述したが、この前後編は大きく場面転換されており、スイトが置かれる環境が全く異なっている。

 “ダウン・ツ・ヘヴン”まででスイトの根本的な人物像は判る。育った家庭環境や、リストカットの事実。他人の干渉を嫌い、独りになりたがり…と、現代の世相にも存在するような人。自由に孤独になれる“空”へ生きる場を求めた人種、死と紙一重であっても一瞬の生をつないで生きていくことに身を置いた者。それが、司令官となり、空へと上がる機会が減り、キルドレとしては珍しく死することなく長い日々を生き、多少は人間関係の中での自分を見つめるようになり…“スカイ・クロラ”へと続いていく。…んだろ?

 時系列的に次に当たる“フラッタ・リンツ・ライフ”を読み始ることにしよう。ここからはスイト視点ではなくなる。周りから見えるスイトがどのように生きていくことになり、終焉を迎えるか、だ。その周囲に生きたキルドレたちの話になっていく。

 話は変わるが、先日、素っ気無い大きめの茶封筒がメール便で届いていた。どうせエロビのDMだろ?(今はDVDが主流か?)とか思っていたのだけれど、この手のDMにはほぼ必ずある私の本名の誤字が無い。名簿業者に流通しているらしい私の宛名からのものはほとんど誤字があり、届いた時点でアヤシイテガミだと判別できるのだが、それが無い。なんだろう?と裏を返せば「株式会社バップ」の文字。あ、当たったのかも。

20080915_01 届いたものは、劇場版“スカイ・クロラ”のプロモーションDVD、カウントダウン3~1までをまとめて収納できる箱帯で、カウントダウンDVDそれぞれに封入されている応募券をセットで送ると抽選で何名様に、って代物だった。

 てっきり、ハズレたモンかと思っていたが、同封の通知には「予定より遅れ~」とあった。刊行物なんかも遅れている傾向があった?感じなので、そんなモンなんだろう。もしかすると、応募者全員に当たっているかも?しれないモンだけど。

 他に、絵コンテなんかも買ってしまってたりする。これは、小説の“スカイ・クロラ”を読み終えたときの対比や、劇場版をDVDか何かで再び観たときにじっくり監督の意図なんかを探るのには面白いものなのだ。

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