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August 28, 2008

空を這いずって…②

※.本文は劇場アニメ“The Sky Crawlers”及び小説“ナ・バ・テア”のネタバレに相当する感想文などを含みます。

 スカイ・クロラのシリーズで、物語の時系列では最初に当たる作品“ナ・バ・テア”(None But Air)を読んだ。この作品はクサナギスイトを第一人称に据えて展開されている。

 ナ・バ・テアは、スイトがキルドレとして、パイロット業を通じて、様々な経験をしていくことが綴られている。劇場アニメ“スカイ・クロラ”に登場する人物で、このシリーズ冒頭作品に当たる“ナ・バ・テア”にも登場する主要人物は、スイト、ティーチャー、ササクラ、フーコ、クリタなど。他にもチョイ役では数人(店のマスターなど)が登場している。

 ここではティーチャーの存在がメインだ。スイトがティーチャーと関わって(同僚となって)過ごすパイロット時代が物語として構成されている。なるほど、スイトはそんなキルドレだったのか…と。

 で、前回までに気になった点として3点ほど挙げていたが、そのうち…、

  • ティーチャーの経歴、ロストック社を辞めた経緯
  • クサナギスイトの娘の存在(ミズキ)

 この2点については全てではないがある程度謎が明らかになった(と思われる)。シリーズ的には最終章に当たる“スカイ・クロラ”の劇場アニメを観て抱いた疑問であるから、その作品中にはある程度の「予測される過去」が散りばめられているのだが、私が抱いた疑問への予測は基本的に当たっていた。

 そして、この2点がある程度解消されたことで、更に抱く疑問が生じてくる。

  • ミズキの処遇
  • クサナギスイトとクリタジンロウの関係と、スイトの拘りの根拠
  • フーコの存在

 フーコが当初から物語に関わっていることで、何かしら鍵を握る存在なのだろうか…という疑問が生まれる。実際、劇場版“スカイ・クロラ”では、押井監督が「スイトのもう一つの可能性」として位置付けているとしている。劇場版ではクリタとカンナミそれぞれとの間に位置する役回りではあるが、小説では…。

 さて、話の本編から話題を逸らせば、私がこの「スカイ・クロラ(シリーズ)」に入ったのは押井監督作品であるという劇場アニメの存在があったから。先入観はそこに起因してしまう。以前にも述べたように、圧倒的なクオリティを誇る映像美によって描かれた空戦シーンが見事であり、今回この小説“ナ・バ・テア”を読むにあたり、何度もこの空戦シーンが脳裏に甦った。甦るというよりも、新たに脳内で作り出された。そのイメージが押井監督作品に偏った状態で作り出されてしまうのは仕方ないが、それはそれで想像するに容易く、明確で、美しかった。

 このシリーズは、刊行順と物語の時系列が同一ではない。著者も、どの刊から読んでも良いと言っている。そして、劇場アニメを観てからでも十二分に良い、と私は思った。

 さて、次は“ダウン・ツ・ヘヴン”だ。

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