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May 05, 2007

近所歩記

 今年からみどりの日となった4日、近所を散策してみた。川方面と山方面と、どちらに足を向けようかと迷ったが、山方面へ。

20070504_01 荒巻配水所へ到着。ダンゴのような八重桜が咲いていた。ここには文化庁の登録有形文化財となっている建築物がある。荒巻配水所旧管理事務所(右)と、荒巻配水池入口(左上)である。

 配水池入口は大正9年築。コンクリートブロックで作られ、水道創設期の配水池中央監査廊出入口という。アーチ状の形に沿って葉状の浮き彫りが施されている。

 管理事務所は昭和8年築。仙台工業高校出身の菊池孝太郎氏設計とある。鉄筋コンクリート造りで、曲面構成の階段室や突出させた展望室などが国際様式指向の建築、ということ。そんなことも気にせずに、中学の帰り道に軒下でダベっていたことを思い出す(笑)。

20070504_02 配水所を後にして、うなり坂を少し歩く(画像左)。

 仙台城築城の際に、その石垣に用いる巨石を牛が唸りながら引いたとされる坂でもあり、雨が降ると滑り易い、曲がりくねった姿からということで、うなぎ坂という別名もある。

 この坂の上、大石原という地名も石切り場だったからという話も頷ける。が、そうなると牛は下り坂を石引いて、唸っていたわけか?

 配水所へと通じる送水管が埋設されている横道の歩道へ逸れる。車両は通行できない細い道。所々視界が開け、広瀬川を望める(画像右)。昨年はここで超地元産カブト♀を拾ったのだった。

20070504_03 その細い道の途中にある弘法堂。弘法大師を祀っており、この山も弘法山と言われている。石仏や石碑が多く立ち並んでいる。

 昔、この山で弘法大師が杖を突いたところから清水が湧き出て、山上清水と呼ばれた地域。そう言えば折立と茂庭の間に位置する蕃山も、一度は弘法大師が霊場にしようと思って叶わなかった地。全国には弘法大師の伝説は多い。

20070504_04 今もなお残る湧水。古井戸や、湧水による池、あるいは本当の湧水が今もなお多く点在している。小さいながらも御不動さんが祀られている清水(左)もある。昔はもう少し大きな古びた御不動さんもあったはずなのだが…。

 更に足を進め、いよいよ山の中へ。この道は、先程も触れたが水道送水管埋設地の上に伸びる道。それが谷間に落ち込むところで道は一応立入禁止に。でも、その奥、谷底に初老を迎えた男性の姿が。どうやら孫を遊ばせているらしい。

20070504_05 話を聞くと、数日前にサワガニ採りをしたらしく、その時に採ったカニを解放しに来たとのこと。まだサワガニがいるんだなぁ、と幼少期を思い出す。ちょっとした激ローカルな昔話を男性と少々楽しみ、私は先へと向かい、孫4人を連れた男性は私が今来た道(画像左)を戻っていった。

 先に進むと斜面に存在するトンネル入口(画像右)。大正6年竣工の仙台市水道第四号隧道。今ではステンレス扉で封鎖されているが、十数年前には入ることができた(といっても当時の鋼鉄製扉が壊れていたためであるが)。隧道の長さは408“尺”とある。

20070504_06 隧道の上、山のピークを越えて反対側へ下る。結構な急勾配で、歩き慣れない人には向かない獣道。するとそこには隧道の出口(画像左)がある。入口を東口とするならこちらは西口となる。そして西口に向かい合うように、150mほど先には第三号?と思われる隧道入口(画像右)が存在する。

 第四号の西口直下には沢が流れており、聖沢とかいう名前だったと記憶する。この隧道周辺は、私が幼き頃に探検しながら遊んでいた地でもある。迷いに迷って帰宅が夜になり、怒られた思い出もある“裏山”だ。

20070504_07 誰に知られることも無く、というほどではないが、多くの人が知らない地域の歴史の遺構。ノスタルジックな、時代を超越してしまいそうな空間。一部では“氷室の跡だ”と思っている人もいるようだが、これは水道局の隧道であって、氷室跡はもっと山奥にある。隧道前の沢を遡り、仙山線下を潜り抜けた先の右手にある。岩盤に露天掘りの深い穴があり、水が溜まっている。そこが本当の氷室跡で、戦中戦後くらいまでは、そこで作られた氷が市中に流通していたと伯父から聞いている。そこへ行ったのはもう20年近く前だ。近々行ってみたいと思った。

 こんなところで昔から遊べていた自分は幸せなのかも、とも思えた。他にもいろいろ撮り歩こうかな。

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