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April 11, 2007

桜の名瀑

20070411_01 今年も職場近くの名物桜が満開に。

 PCの文字と書類の数字で疲れた目に潤いを、ということで昼休みにカメラを片手に見物へ。

 すると撮影者の多いこと多いこと。通り掛かり、撮影目当て、駄菓子を買いながら、タクシーに乗りながら…。

20070411_02 しかし、毎年毎年綺麗だな、と思う。濃過ぎず薄過ぎない鮮やかな桜色。

 そして、風情のある駄菓子屋の佇まい。

 年に1~2日間ほどであろう桜の絶頂期。職場が近くでなければ見逃してしまうこの日。

20070411_03 駄菓子屋の敷地に根付く桜は、まるで滝のように堀の中へと枝を深く下げ、桜の名瀑と化す。

 何も知らずに通り掛かる人でさえ、ハッとして歩みを止める。そんな存在感、大きい樹とは言えないが、圧倒的なその咲き誇り。

 私と同じように撮影している中年男性。「いやぁ、素晴らしく綺麗だよね!毎年見に来ているけど、本当にいつ来ても素晴らしく綺麗だよね!いやぁ、本当に、ホントに…」見た者にしか判らない形容し難い美しさ。確かに、「素晴らしい」以外の言葉は見つけ難い。

 その男性は、この桜を毎年見に来ているだけあって、この桜にパワーをもらっているようで、とても興奮気味。「堀の下から撮りたいんだけど…。行けないかな…。長靴履いたら行ける?行けそうだ!」と言って去ってしまった。きっと長靴を取りに戻ったのだろう(笑)。

20070411_04_1 同僚もケータイで撮影に来た。しばらくすると同じ建物の別オフィスの人も来た。

 駄菓子屋はとても忙しそう。

 クルマで通り掛かりに見ていく人がいるので、時々クラクションが鳴り響く。桜プチ渋滞が起きている。

20070411_05 20分ほど撮影を堪能し、職場復帰。でも、日没直後にまた来てしまった。陽が落ちてからがまた美しい。

 鮮やかな桜色は少し控えめになりつつも、柔らかく広がる桜の花。駄菓子屋の灯篭が点り、また違った趣を見せてくれる。

 すると、昼も夕方もカメラを抱えてきている私を覚えてか、駄菓子屋のご主人が話し掛けてきてくれた。

20070411_06 植木屋の話を聞かせてくれて、「ソメイヨシノは接木する樹だから60年を越えると衰えてくるが、この(枝垂れ)桜は60年を越えて花の色に深みが増してくるそうだ。この桜も60年を越えてきたから、毎年毎年どんどん綺麗になっていくよ」

 そして、「私も間もなく80(歳)だから、あと何回見れるか判らないけど、あんまりそれは考えないように見ている。忙しくて今日はあんまり見ていないから、主人(の私)がちゃんと(桜を)見てやらないと」とポツリ。「あと何回」という思いは、2年前に撮影しに来た時の私も思ったことだが、ご主人の言葉には、この桜と歩んできた人生の重みが感じられた。

 「(ちゃんと見て)可愛がってやらないと、ね」と私が言うと、満面の笑みでウンウンと頷きながらご主人は桜を回り込むように、見渡しながらゆっくりと歩み始め、柔らかな桜色の滝を輝かしい眼で見つめていた。

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